議会報告

◆4番(上田貢太郎君) 自由民主党の上田貢太郎でございます。
まず冒頭、質問に入ります前に、このたびのたび重なる豪雨災害、そして北海道胆振東部地震によりお亡くなりになりました方々に対しまして謹んで哀悼の意を表しますとともに、御遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。また、被災された皆様に対しましても心よりお見舞いを申し上げます。政治に携わる者として、繰り返される災害に対する事前の備え、そして死者ゼロを目指す姿勢の必要性を、今改めて強く感じております。一日も早く日常の生活を取り戻していただきますことを願うところでございます。

それでは、質問に入ります。まずは、地震対策についてお聞きいたします。
9月6日3時8分、北海道胆振地方を震源とする最大震度7、平成30年北海道胆振東部地震が北海道を襲い、発生から間もなく道内全域は停電、道民や観光客は大きな不安の中、朝を迎えることとなりました。
我々産業振興土木委員会のメンバーも東北、北海道の視察のため、その日は函館のホテルに宿泊しておりました。現地も震度5弱から6弱という強烈な揺れで、私も飛び起きまして、これはまずいと、とりあえずテレビをつけようと思いましたが、ホテル内は既に停電。エレベーターもとまり、幸いトイレの水は出たのですが、結局どうすることもできないまま、一睡もできず朝を迎えることとなりました。委員会のその日の予定は青森入りでしたが、移動先の混乱も予想されますし、道内からの脱出もなかなか困難な状況のため、後の予定を中止し帰路に向かうことになりました。
我々は、議会の視察団であったこともあり、比較的スムーズに情報や旅行券の手配ができましたが、一般の観光客や出張族の方々はどうしたものかと心配しておりましたが、高知に戻ると、考えられないような話が知人からありました。といいますのも、札幌のある避難所が地域住民以外を閉め出していたという話です。連絡いただいた方は陸前高田市で市議会議員をしている方で、息子さんが札幌に所用で出かけていて、父親の指示で避難所に向かったところ、避難所は市民優先ですと避難を断られたそうです。加えて、ホテル、旅館からも敬遠され、夕方になり、食事はとれていないものの何とかホテルと水は確保できたようですが、国内有数の観光地がなぜと耳を疑いました。
あすは我が身の高知の避難所は、県としてどのような運営指導を行っているのかと不安になりました。本県も、観光県として旅行会社と連携したさまざまな旅行商品を企画、販売し、国内外の観光客を呼び込もうと計画しておりますが、観光客や出張族の災害対応はどのように行うつもりなのでしょうか。
今回の胆振東部地震は、大きいとはいえ揺れの被害だけでしたが、次の南海トラフ地震は津波も伴い、県下全域でライフラインは途絶すると考えていいと思います。
そこでまず、今回の北海道胆振東部地震について知事の御所見をお聞かせください。
そして、避難所開設については市町村が行うわけですが、避難所に地域住民以外の方が来たとき、どのような対応をとることになっているのか、また日本語のわからない外国人を受け入れる特別な避難所などは考えているのか、危機管理部長にお伺いいたします。
加えて、本県は東西も広く、県外、海外から来られた観光客などは広範囲に散らばっている可能性がありますが、その方々の脱出可能エリアまでの移送をどのように考えられているのか、また通信が途絶して情報入手が困難な中、こうした方々の脱出に関するサポートをどのように考えられているのか、危機管理部長にお伺いいたします。
次に、非浸水地域への事業所移転についてお伺いいたします。本県では、公益性の高い民間施設などに関しては、高台移転費用の補助などを含むさまざまな施策が打ち出されておりますが、一般民間企業に対してはそうした助成制度はなく、個社、個人による自力での地震・津波対策しかありません。
また、土佐湾沿岸部や浦戸湾・浦ノ内湾沿岸部には、水産品加工や海洋輸送による資源加工会社、燃油などの基地が多数存在します。さきに発表された土木学会の南海トラフ地震の被害予測では、全国の被害予測は1,400兆円と試算されており、高知県についてはGDP、県民経済試算が70%減という壊滅的な状況に陥る可能性が予測されております。ここに至り、高知県の経済を支える製造業や事業所に対する措置も重要であると考えます。
本県でも、企業の津波浸水地域から非浸水地域への移転について、潜在的な要望が非常に多いと聞いております。さきに、県と高知市との共同で高知中央産業団地が整備されましたが、供給ベースではまだまだ追いついていないのが現状ではないでしょうか。
今、民間業者がそうした声を受け、移転先用地の確保に動いておりますが、多くの場合は、用地として十分な広さは確保できそうでも、開発許可や農地転用に伴う規制で許可に至らないと聞いております。もちろん、国土、農地の開発ですから、乱開発、スプロールを防ぐためのルールに従う必要は十分承知しておりますが、事業継続計画、BCPに伴う高台移転用地開発に限って緩和することはできないものでしょうか。
大手企業との取引のある本県事業所では、災害時においても、取り扱う商材の供給を滞りなく行う必要に迫られています。また、一定期間内にそうした対策がとれなければ、取引の打ち切りを示唆する企業も少なくありません。県民の雇用を担う事業所の多くは小規模事業所で、事業所の移転は困難でも、せめて物流拠点や工場ぐらいは高台や津波の影響を受けないエリアに移しておきたいと願っております。また、中堅企業では、取引先の要望を受けて高台移転先を求め、なければ県外などに支店を移したり分社化してリスク分散を行うことも視野に入れての検討を始めた企業もあると聞いております。そうなると、少なからず高知経済に影響があるのではと考えます。
そこで、こうした事業所移転に対する市街化調整区域や農地の規制緩和について土木部長と農業振興部長にそれぞれお伺いいたします。
また、津波浸水地域から非浸水地域への移転を望む企業数やその企業が希望する面積と価格を県は把握できているのか、またそうした企業がどの市町村付近を望んでいるのか、商工労働部長にお伺いいたします。
続きまして、南国市の市街化調整区域における宅地開発についてお伺いいたします。先ほどの質問にも関連しますが、宅地開発に関しても、南国市の一部地域で企業の高台移転地と同様の扱いを受けているとの話が私のところに持ち込まれました。県としては、開発の許可に関しては国の施策、コンパクトシティー化を念頭に検討しているようですが、中心市街地に近い宅地は農地と比較すると高額であり、県民所得から鑑みますと農地のほうに目が行きがちではないかと思われます。
また、本案件は、さきの2月議会で坂本議員、久保議員からの開発許可に関する質問、特に坂本議員からの質問に対する知事の答弁では、平成26年から津波浸水予測区域からの転居に伴う住宅の建築や空き家の賃貸を可能としましたとの発言がございましたが、問題の宅地開発は非浸水エリアの既存集落に近いエリアであり、津波浸水予測区域からの転居地には最適な場所だと考えます。加えて、既存集落の維持という観点でも、県の考える規制緩和での整合性は満たしているように考えます。周辺には内科、歯科のクリニックもあり、教育環境としては小学校、職場としては大型企業エリアもあり、そこに勤める職員としては通勤の利便性からも好ましい転居エリアではないかと思いますし、人が集まれば店舗などの出店も期待でき、既存集落の活性化にも結びつくと考えております。
そこで、既存集落の高齢化や若者流出による急激な過疎化を防ぐためには、あらゆる対策を講じる必要があると考えますが、乱開発とは考えにくい今回の宅地開発について土木部長の御所見をお聞かせください。

次に、フィルムコミッションについてお伺いいたします。
私は、かねてより映像コンテンツをインバウンドに結びつけるべく、さまざまな提案をさせていただきましたが、いよいよ本年12月19日からLCCのジェットスター・ジャパンによる高知-成田・高知-関西線が就航いたします。この2路線の就航により、海外と本県を結ぶ交通環境は大きく前進するものと期待しており、知事も無限大の可能性があると述べられております。こうした動きを生かし、県全体として高知の魅力をさらに世界へ広げるためには、ドラマ、映画、アニメといった映像のコンテンツの力が欠かせないと考えております。
例を挙げますと、観光先進県の沖縄県では、沖縄フィルムオフィスがロケ誘致を進め、2017年シンガポールと沖縄フィルムオフィスが共同制作しました映画「ジーマーミ豆腐」がシンガポールで大ヒットとなり、ジェットスターのシンガポール-沖縄線の就航を大きく後押ししたと聞いております。
また、佐賀県でも、佐賀フィルムコミッションがロケ誘致をした映画「タイムライン」が2014年にタイで公開されると、2016年の佐賀県でのタイ人宿泊客は、公開前の2013年と比べ15倍超の5,830人まで拡大されております。佐賀県の取り組みもこれにとどまらず、現在ではフィリピンに対して誘致活動を展開しており、アジア圏に対して佐賀の魅力を発信し続けております。
本県では、既に皆さん御承知のとおり、2015年に映画「あらうんど四万十」が国内で全国公開、海外では台湾やメキシコで配給され、エバー航空国際線でも機内上映されており、これに続き、映画「サムライせんせい」が平成の薩長土肥4県での先行上映に続きこの秋より全国公開、また海外配給も商談が進んでおり、拡大展開が期待できそうだと伺っております。
皆様御存じのように、現在ではスマートフォンの普及により、映像コンテンツの出口はスクリーンやテレビ、DVDにとどまらず、アマゾンプライム、フールー、ネットフリックスに代表されますビデオオンデマンドのシェアが急激に拡大しております。アマゾンプライムの日本での会員数は800万人を超えていると推測されており、ネットフリックスはディズニーを株価で超え、世界最大のエンターテインメント企業となりました。
「あらうんど四万十」はアマゾンプライムのプログラムとなっておりますし、本県四万十市出身の漫画家安倍夜郎さんが原作の漫画「深夜食堂」はドラマ・映画化され、ドラマ最新シリーズは現在ネットフリックスで世界190カ国に配信されており、韓国、中国ではリメイク版も制作され大変な人気となっております。このような状況を考えますと、今後の海外からの誘客を考えたとき、映像コンテンツの持つ情報発信力は決して小さくないと考えます。
また、本県が取り組んだ2013年の「楽しまんと!はた博」、そこから始まった四万十映画祭は、3回目にもかかわらず、業界では夕張国際ファンタスティック映画祭と肩を並べる存在と評価されており、ジェトロ、日本貿易振興機構がバックアップする唯一の地方映画祭と伺っております。昨年度末に行われました第3回目では初めてコンペ部門が設けられ、受賞作品を海外に送り出す登竜門の役割をしております。高知ロケではない作品、高知の企業がかかわっていない作品、そんな作品でも、すばらしい日本の作品を本県から海外に送り出すという四万十映画祭のスタイルは、まさしく幕末維新のころ、我々の先輩たちが脱藩してまでも世界に対する日本の将来を見据えて行った行動そのもので、高知じゃなければあり得なかった映画祭だと思います。
先ほど少し触れましたが、四万十映画祭で公開された「センターライン」という作品は、この映画祭において観客賞を受賞し、中国と配給契約が結ばれて既に結果も出ておりますし、国内の若手監督からは、日本で一番配給に近い映画祭として、作品を出品したい映画祭とも言われております。
このように、本県には、交通インフラの拡充、本県の魅力を伝える映像コンテンツの存在、ハード面とソフト面ともに世界につながるコンテンツの利用方法の基礎もできました。2020年東京オリンピック後を見据えた取り組みとして、今こそ力を注ぐべきときではないでしょうか。
人口減少先進県の本県では、交流人口の拡大が今後の県政の大きな柱の一つであることは間違いありません。先人が育んできた本県の文化、歴史、自然、食は、海外の方々にも自信を持って喜んでいただけるものです。今まで行ってきた数々の事業の積み上げをさらに飛躍させるためにも、観光、文化、産業、教育など関連部署で情報共有を行いながら、本県の魅力を発信し続けていくことが重要と考えられます。
そこで、映画やドラマのロケの誘致活動を行うフィルムコミッション活動を強化することが重要であると考えますが、これまでに御提案させていただいた官民が協力した受け入れ体制づくりの進捗も踏まえ、観光振興部長の御所見をお伺いいたします。

続きまして、空港施設の機能強化についてお尋ねいたします。
このたびのジェットスター・ジャパンによるLCC就航を受けて、高知龍馬空港のさらなる活性化が求められており、こうした中、ことしの5月に、副知事がトップとなり、国土交通省や高知空港ビル、南国市、航空会社、有識者などの関係者で構成する高知龍馬空港・航空ネットワーク成長戦略検討会議が立ち上がっています。この検討会議は、高知龍馬空港の航空ネットワークの持続的な発展を目的として立ち上げられ、国内線と国際線の路線誘致や既存路線の拡充などについて戦略を立てて取り組んでいくこととされています。
5月と8月に検討会議が開催され、保安検査場や搭乗待合室の混雑の緩和や、国際チャーター便が来たときの税関、出入国、検疫の検査スペースの確保、航空機に旅客を誘導するボーディングブリッジ、搭乗橋の整備といった空港施設の機能強化の必要性が話し合われ、新ターミナルビルの建設といったことも検討すべきではないかとの意見があったとお聞きしています。
そこで、今回のLCCの就航決定や将来の国際線誘致を見据えた場合、空港のキャパシティーの拡充は喫緊の課題ではないかと考えますが、空港施設の機能強化に向けて、高知龍馬空港・航空ネットワーク成長戦略検討会議の今後の取り組み内容について副知事にお伺いいたします。

次に、自然・体験型ツアーについてお尋ねいたします。
皆様、アドベンチャーツーリズムという言葉を御存じでしょうか。本県も、来年から自然・体験型の観光キャンペーンを展開する予定ですが、このアドベンチャーツーリズムとはニュージーランドで発祥した体験型観光ツアーで、主に欧米の富裕層をターゲットに、市場規模が30兆円とも言われております。
この体験型観光ツアーは、通常の観光ツアーの約2倍の消費が見込めると言われておりまして、国内では既に北海道において、旅行会社、銀行、各種団体などが出資して、出資総額4億円の阿寒アドベンチャーツーリズム株式会社も設立されております。同社は、今回の北海道における地震により大変御苦労されているとお聞きしておりますが、現在取り組もうとしている事業には、国立公園内の夜の森を舞台にした、アイヌ民族の文化、神話をモチーフに阿寒の自然や動植物との共生の世界を演出する体感型デジタルアートの展開や、阿寒の豊富な観光資源、自然、アクティビティー、アイヌ文化を生かしたアドベンチャーツーリズムを展開し、国策である国立公園満喫プロジェクトと絡めて、稼げる地域を目指すようです。
12空港を有する北海道には及ばないまでも、本県にもさまざまな自然資源は豊富で、河川では四万十、仁淀、物部と徳島に流れる吉野の4河川があり、東西に室戸、足摺の両岬、中央には桂浜、中山間地域には急峻な四国山脈の地形から成る多数の渓谷がございます。
ただ、専門家の指摘する、高知は二次交通に問題があることをどのように解消するか。逆に言えば、この二次交通に難があることを生かし、アドベンチャーに結びつければ、例えば高知龍馬空港におり立ち、高知新港からトローリングで大物を狙いながら西南地域へ移動、翌日は徒歩で四万十源流を目指し、その後、カルスト台地から仁淀川方面に下りカヌーで河口を目指す。さらに、高知市からロードバイクで室戸ジオパークを目指すなども、大人の夏休みにはぴったりのアドベンチャーツーリズムではないでしょうか。
また、宿泊地では、地元ならではの食や神楽などの古典文化に触れる機会も企画し、交流の創造によるさまざまな人流、物流、商流を生み出すきっかけになるのではと考えます。
こうしたツアー参加者の中には、本県の魅力にひかれ、移住を考える方も出てくるのではと考えます。
このような民間のノウハウを活用したアドベンチャーツーリズムの推進は有効であると考えますが、観光振興部長の御所見をお聞かせください。

次に、ナイトタイムエコノミーについてお伺いをいたします。
年々増加し続ける訪日外国人旅行者数。日本政府観光局によると、2017年10月の訪日外国人旅行者数は、前年同月比21.5%増の259万5,000人となり、10月としては過去最高を更新しました。本県におきましても、一昨年あたりからクルーズ客船の入港数が増加し、2016年の25隻から2017年は43隻と、7割強もの伸びを見せており、12月からLCCの就航で、そうしたクルーズ観光客のリピートも見込めるのではないかと考えます。
そうした外国人に外貨を落としてもらう新たな考え方に、夜遊び経済、ナイトタイムエコノミーというものがあります。外国人旅行者を対象にした調査によると、夜の時間帯に楽しめるエンターテインメントやショッピングスポットが充実している欧米や東南アジアの国と比較して、日本では余りナイトライフが楽しめなかったという結果が出ております。本県も同様で、外国人観光客が買い物や観光をする姿は見かけますが、夜の繁華街ではその姿を見かけることはありません。
また、ナイトタイムエコノミーには、宿泊施設はもちろん商店街や繁華街の他店間の協力が不可欠で、例えば多言語での相互のショップ紹介カードや割引チケットつきの地域通貨などもおもしろいと考えます。
加えて、インバウンド観光客の入れ込みにはSNSによる情報発信が不可欠で、特にアジア圏の観光客の多くがいわゆるインスタ映えするスポットや食べ物を求めており、それを表現するスマホというハンディーコンピューターで、手のひらから世界に情報発信しています。
そこで、海外で人気があり、SNSでの発信力のある方を定期的に高知に招待して、現地の言葉で高知のよさをアピールしてもらえれば、インバウンド効果としては大きな期待が持てると考えますが、こうした方々の招聘について観光振興部長の御所見をお聞かせください。
また、ナイトタイムエコノミーは、高知市中心商店街活性化の視点からも必要ではと考えます。外国人が大好きな温泉。私も市議会議員時代に2回ほど温泉開発の質問をいたしましたが、先日の高知新聞でもはりまや橋温泉の記事が出ておりました。
記事の冒頭に、高知市中心商店街の事情を西高東低とあらわしておりましたが、はりまや橋公園周辺のにぎわい創出も今後の大きな課題ではと、私も以前から感じておりました。といいますのも、例えばはりまや橋公園に面した店舗の多くが公園に背を向けている点です。もともと、はりまや橋商店街の店舗ができてから後になってはりまや橋公園が整備されたため、仕方がないことではありますが、美観地区ということもありますし、せっかくはりまや橋に観光客が訪れても、すぐそばの公園から店舗やビルの背中を眺めながらでは、少し残念に思います。加えて、公園から階段をおりたところにあるはりまや橋の地下広場についても、昔と違って明るくなったとはいえ、まだまだ観光地としての活用方法があるのではないでしょうか。
そこで、はりまや橋公園の地下広場をアート作品やしゃれたカフェ、スイーツを販売するバル広場に変えて、地上の公園には小さなワゴンショップを配置し、おいしい食べ物と心地よい音楽を楽しめる仮称はりまやバルとしてリニューアルし、高知市中心商店街の東の名所にしてはと考えます。さらに、年末に行われている中央公園のイルミネーションをはりまや橋公園の東隅まで延長し、また夏には水面に灯籠などを浮かべ、光の名所にすればと考えております。
そこで、はりまや橋公園周辺のにぎわいを創出することにより、高知市中心商店街全体の活性化につながるものと考えますが、商工労働部長の御所見をお聞かせください。

最後に、大学生による観光まちづくりコンテストについてお伺いいたします。
観光開発には若い感性も必要ではないでしょうか。これは、国交省を初め、観光庁、文部科学省、総務省、経済産業省など5省庁が後援し、既に11の実践事例も立ち上がっている、大学生による観光資源開発のコンテストでございます。2011年は、対象地域を箱根・湯河原・熱海・あしがら観光圏とし、箱根町、熱海市、大井町、小田原市など11市町の観光資源を発掘し、観光まちづくりプランを考えるものであり、毎年開催されております。第1回は12大学、40チーム、大学生167人でしたが、今は100校に届く勢いで参加学生数も1,200人超えと、大きな広がりを見せています。8回目を迎えることしは、2017年の北陸、多摩川に、新設の茨城・長崎国境離島ステージを加え、いずれの地域にもエントリーすることを可能としました。
これまでの開催地を見てみますと、残念なことに四国はまだ開催地の名乗りを上げていないようですが、全国、いや世界に広がりを見せるよさこいの聖地土佐の高知が、そろそろ開催ステージに名乗りを上げてもいいのではないでしょうか。開催には若干の費用を要するようですが、若い感性で資源開発が実現すれば、そんな費用はあっという間に取り戻せるのではと考えます。
そこで、高知を開催地のステージとしてエントリーすることも含めて、こうした大学生などの若い知恵や感性を生かす観光地づくりについて観光振興部長の御所見をお聞かせいただきまして、第1問とさせていただきます。
(知事尾崎正直君登壇)

 
 

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◎知事(尾崎正直君) 上田議員の御質問にお答えをいたします。
北海道胆振東部地震の所見についてお尋ねがありました。
今月6日に発生した北海道胆振東部地震では、道内で初めて震度7が観測をされ、大規模な土砂崩れや家具の転倒などにより41名もの方がお亡くなりになられましたほか、700名近い方が負傷されるなど、大変大きな被害が発生をいたしました。お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。また、被災されました皆様に対しまして心からお見舞いを申し上げる次第であります。
この地震では、最大震度7という極めて大きな揺れによりまして、震源に近い厚真町北部では大規模な土砂崩れが発生しましたほか、大きな揺れがなかった地域も含めて道内全域で停電が発生し、経済活動の停止や交通機関の麻痺などが発生をいたしました。
今回、土砂崩れが起きた地域は、火山灰や軽石などが堆積した地すべりを起こしやすい地盤であったと報道されておりまして、本県とは地質が異なりますけれども、揺れによる土砂崩れは本県においても発生すると考えておりまして、今回の地震で土砂崩れの危険性を改めて認識したところであります。
土砂災害の対策につきましては、現在県民の皆様にさまざまな注意喚起を行い、災害の危険性がある地域の調査を進めておりますほか、特に危険性の高い区域内の建物には、外壁補強や安全な土地への移転費用に対する支援制度を設けるなどの取り組みを行っておりますけれども、今後はこうした取り組みを、今回の地震の教訓を生かしてさらに一層強化していかなければならないと考えております。
また、今回の地震で、社会生活や経済活動に欠かすことのできない電気の広範囲にわたる停止が地域社会に与える影響の大きさを目の当たりにし、ライフラインの大切さについて改めて認識をしたところであります。
こうしたライフラインについては、昨年度電気、水道、ガス、通信などのライフライン事業者を構成メンバーとする協議会を立ち上げ、各事業ごとの復旧目標を設定しましたほか、優先的に復旧すべき施設の共有、復旧工事に係る許認可手続の簡素化、資機材置き場の確保対策などの検討を進めているところでございます。
さらに、お話のありました観光客や外国人など地域外の方々への対応については、地元の自治体などと連携し、今後避難所での受け入れ体制の整備を進めるとともに、必要とする情報やその提供方法の検討を進めていく必要があると考えております。
いずれにしましても、今回の地震により明らかになりました知見につきましては、現在策定中であります第4期南海トラフ地震対策行動計画に反映していきたいと、そのように考えております。そうすることを通じて、南海トラフ地震対策のさらなる充実強化を図っていきたいと、そのように考えておるところでございます。
私からは以上でございます。
(危機管理部長酒井浩一君登壇)
◎危機管理部長(酒井浩一君) まず、避難所に地域住民以外の方が来たとき、どのような対応をとるのか、また日本語のわからない外国人を受け入れる特別な避難所などは考えているのかとお尋ねがありました。
南海トラフ地震など大規模な災害が発生した場合、県内の他の市町村から仕事や買い物などで訪れた方や国内外から観光で訪れた方など、地域の住民以外の方々が帰宅困難者となるため、可能な限り避難所で受け入れる必要があると考えています。
県が作成した避難所運営マニュアルの手引では、避難者名簿に、避難者、在宅避難者に加えて帰宅困難者の欄を設けるなど、地域の住民以外の方々が避難所に来ることも想定した構成としており、既にこの手引に基づいて、こうした方々のためのスペースをあらかじめ設ける方向でマニュアルの検討を進めているところもあります。
また、日本語が通じない外国の方につきましても、健常者であれば特別な避難所ではなく、一般の避難所に避難していただくことになります。このため手引では、支援の必要な要配慮者の例として外国人を挙げ、多言語による情報提供が必要となることや宗教や生活習慣などに対する被災者への配慮が必要であることに加え、通訳として支援する災害時語学サポーターの派遣が可能であることも明記しております。
今後、県としましては、特に観光客や出張で訪れる方々の多い市町村の避難所での運営マニュアルについて、こうした内容を盛り込んでいただくよう市町村を支援してまいります。
次に、県外、海外から来られた観光客などの脱出可能エリアまでの移送をどのように考えているのか、また通信が途絶して情報入手が困難な中、こうした方々の脱出に関するサポートをどのように考えているのかとのお尋ねがありました。
本県を観光や出張で訪れた際に被災し、帰宅が困難になった方々については、早期に帰宅できるよう支援することは必要であると考えています。
さきの東日本大震災では、宮城県の松島町が町内の旅館組合と連携して帰宅困難となった観光客の情報収集に当たり、発災3日後の3月14日には仙台市から東京方面に向かう鉄道ルートが確保されたことから、観光客を町やホテルがバスで仙台市まで搬送したとのことです。
南海トラフ地震発生時においては、県内各地で被害が発生し、公共交通機関の復旧にも時間を要することが想定されることから、松島町での対応のように県や市町村がバスなどを調達し、観光客などを、公共交通機関が復旧している瀬戸内側の主要都市まで搬送することも検討しておく必要があると考えております。
また、通信が途絶して情報収集が困難な地域でのサポートにつきましては、テレビやラジオなどのマスメディアを通じた情報提供のほか、ホテルや駅での情報提供など、あらゆる手段を通じて、県外、海外から来られた方に必要な情報を提供することが重要であると考えております。
こうした県外、海外からの訪問者の早期帰宅対策につきましては、今後具体的な支援方法や県と市町村の役割分担などを検討していく必要があると考えております。
(土木部長村田重雄君登壇)

 
 
◎土木部長(村田重雄君) まず、津波浸水地域から非浸水地域への事業所移転に対する市街化調整区域の規制緩和についてお尋ねがありました。
市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域であり、計画的に市街化を図る市街化区域との区域区分、すなわち線引き制度を担保するため、建物の建築の規制など土地利用に一定のルールを定めております。
一方、産業振興を後押しするため、国や高知広域都市計画区域を構成する高知市、南国市、香美市、いの町と協議、調整を行い、平成28年から高規格道路のインターチェンジ周辺において、事業所の立地が可能となる規制緩和を行いました。
このため、事業所が非浸水地域へ移転を希望する場合には、市街化区域やインターチェンジ周辺などで立地を検討いただくことで、無秩序に市街地を拡大させることのない計画的なまちづくりが図られると考えております。
次に、南国市の市街化調整区域における宅地開発についてお尋ねがありました。
市街化調整区域は市街化を抑制する区域ですので、基本的には宅地開発ができない区域となります。一方で、市街化調整区域であっても、地区計画を定めれば宅地開発が可能となります。この地区計画は、国の定める都市計画運用指針において、市街化を抑制すべき区域であるという市街化調整区域の性格を変えない範囲で定めるものと規定されております。
南国市が宅地開発のためにこの地区計画制度を活用する場合には、都市計画運用指針の趣旨を踏まえ、都市計画マスタープランの位置づけはもとより、空き地、空き家の状況や人口動態など長期的視点に立った都市構造の分析を行うとともに、南国市が進めるコンパクトなまちづくりや周辺市町とのバランスを重視し、宅地開発の必要性について慎重に検討いただきたいと考えております。
(農業振興部長笹岡貴文君登壇)

 
 
◎農業振興部長(笹岡貴文君) 津波浸水地域から非浸水地域への事業所移転に対する農地の規制緩和についてお尋ねがございました。
国内の農業生産の基盤である農地につきましては、国民のための限られた資源であり、かつ地域における貴重な資源であることから、農地法において農地を農地以外に転用することが規制されています。
一方、南海トラフに係る地震防災対策の推進に関する特別措置法では、地方公共団体が住居の集団移転を図るため津波避難対策緊急事業計画に基づいて住宅団地を整備する事業については、農地転用の許可要件の緩和についての特例が設けられているところです。
土地は、地域の諸条件に応じて適正に利用されることが必要であることから、農地法においては、農地転用を一律に規制するのではなく、農業振興地域内の農用地や甲種農地、第1種農地といった優良農地については転用を原則不許可としている一方、第2種農地や第3種農地といった農業上の利用に支障が少ない農地については、必要な要件を満たした場合には転用許可できることとなっており、事業所の移転を目的とする転用も可能となっております。
県としましては、事業所の移転に係る農地転用につきまして現行の制度において可能な範囲で柔軟に対応するとともに、引き続き食料生産の重要な基盤である優良農地の確保と、農業上の利用に支障が少ない農地の転用との調整を図りながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
(商工労働部長近藤雅宏君登壇)

 
 
◎商工労働部長(近藤雅宏君) まず、津波浸水地域から非浸水地域への移転を望む企業数や希望する面積、価格等を把握しているのか、またどの市町村付近を望んでいるのかとのお尋ねがございました。
東日本大震災の発生や、南海トラフ地震による津波浸水予測を公表いたしました平成24年12月以降、製造業や運送業など県内企業の皆様からさまざまな機会を通じて、BCPに伴う高台移転に関するお声をいただいております。
県では、平成26年度から隔年で、団地開発に係るニーズを把握するため、県内の製造業を対象にBCPも含めた移転等に関する意向調査を実施してきております。今年度も525社を対象に実施をいたしました結果、工場等の増設や移転を計画または検討している企業は34社で、希望する総面積は約20ヘクタールございました。また、その理由としましては、複数回答可としておりますが、事業の拡大のためが25社、次いでBCPに関するものが10社でございました。
このBCPに関する移転のうち、それぞれの企業が希望する面積は0.1ヘクタールから最大で8ヘクタール、希望する価格は1平方メートル当たり1万円から3万円となっております。移転場所につきましては、高知市や南国市を中心に、9割の企業が現在の市町村内での移転を希望されているということになっております。
また、共同で団地開発を進めております高知市や南国市におきまして、市が把握しておりますところでは、運送業や卸売業等の製造業以外の業種で、両市の合計で約18ヘクタールのニーズがあるとお聞きをしております。
県では、現在非浸水地域において安全・安心な工業団地の開発を進めており、南国市と共同で日章地区に約12ヘクタール、また高知市と共同で高知中央産業団地の東隣の布師田地区に約7ヘクタールの団地の整備を進めているところでありますが、津波浸水地域からの移転のみならず、その他の企業の新設、増設、あるいは県外からの企業誘致を鑑みますと、受け皿の確保は十分ではないと考えております。
このため、日章と布師田の両団地の早期完成に全力で取り組んでまいりますとともに、今後の団地整備につきましては、県内企業の具体の増設や移転等の計画、意向を十分にお聞きしながら、市町村ともしっかり連携して対応してまいりたいと考えています。
次に、はりまや橋公園周辺のにぎわいを創出することにより、高知市中心商店街全体の活性化につながるのではないかとのお尋ねがございました。
高知市が策定をしています第2期中心市街地活性化基本計画では、歩行者通行量について、中心部では西側エリアが増加したのに対し東側エリアでは減少しているとの現状認識のもと、魅力ある機能をエリア全体に展開し、人々の回遊を活発にして中心市街地での滞留を促進させるとの基本方針を掲げて、各種施策を展開していくこととされています。県としましても、東側エリアを活性化していくことは大変重要であると認識をしております。
現在、中心市街地活性化基本計画の中に位置づけられた事業としまして、例えば京町・新京橋商店街では、新たな商業者を育成し商店街の空き店舗への出店を促進する京町チャレンジショップ事業や、障害のある方や高齢の方が安心して買い物をしていただけるようサポート活動を行うタウンモビリティ事業などを実施しています。
議員のお話にありましたはりまや橋公園の活用につきましては、都市公園法や公園の構造上から一定の制約があると管理者である高知市からお聞きをしておりますが、年末から行われる中央公園や京町・新京橋商店街でのイルミネーション事業につきましては、これまでに規模を拡大する際に県と市とで支援をしてきたところであり、はりまや橋公園の一部も活用されています。
今後のさらなる拡大につきましては、設置や維持に相当の費用がかかるということもありますので、商店街振興組合や高知市の意向を十分に確認してまいりたいと考えております。
加えまして、中心商店街全体への回遊性の向上を図りますため、本年度からは国内外からの観光客や地元住民に対しまして新たにICTを活用した商店街の情報発信を行ったり、キャッシュレス機能の導入によりインバウンドの需要喚起につなげる取り組みなどについて、商店街振興組合と協議を重ねているところでございます。
今後とも、高知市や商店街振興組合とともに、官民一体となって中心商店街全体の活性化を図ってまいります。
(観光振興部長吉村大君登壇)

 
◎観光振興部長(吉村大君) まず、フィルムコミッション活動を強化するための官民が協力した受け入れ体制づくりについてお尋ねがありました。
映画やドラマの誘致は、国内外に向けた本県のPR効果はもとより、ロケ地めぐりなどの観光誘客や大規模な撮影の際の宿泊などを中心に、さまざまな経済効果を生み出す可能性があると考えています。こうしたことから、民間の方々との協力によって本県のフィルムコミッション活動が強化できますことは、大変心強いことだと考えています。
フィルムコミッション活動の強化に向けては、県内の民間の方々が、映画などの制作をサポートする組織の立ち上げを目指されており、県としましてもこれまでに関係者の方々と意見交換を行ってまいりました。
この意見交換において、関係者の方からは、誘致の際のロケ地情報のデータベース化を初め、撮影に関する地元との調整などにノウハウを持つスタッフの確保や、編集機材と移動車両の準備などに取り組むことで、効果的なフィルムコミッション活動が可能になるとのアイデアをいただいています。こうしたアイデアを受けて、県からは、お互いの役割と責任の分担や民間組織の活動に必要な資金の調達方法など、具体的な仕組みの検討を重ねていく必要があることをお伝えしています。
今後とも、受け入れ体制づくりに向けた協議を継続しまして、官と民との協力のもとでのフィルムコミッション活動の強化につなげていきたいと考えています。
次に、民間のノウハウを活用したアドベンチャーツーリズムの推進についてお尋ねがありました。
アドベンチャーツーリズムは、その旅行形態を提唱する団体において、自然、アクティビティー、異文化体験の3つの要素で構成する旅行と定めております。
お話のありました北海道での取り組みは、民間事業者を中心に、例えば自然と共生するアイヌ文化を体感といったストーリーで、湖に生息するマリモの観察やアイヌ民族に伝わる竹製の楽器製作、地域食材を活用した湖畔でのグランピングといったアドベンチャーツーリズムの3つの要素に、宿泊や物産などを組み合わせた、滞在型の旅行商品の造成、販売により、観光誘客を図るものです。
こうした取り組みは、本県が自然・体験型キャンペーンにおいて進める、民間のノウハウを取り入れながら自然景観や体験型の観光資源の魅力を高め、それらを中心に食や歴史、町並み、風土、文化を組み合わせた観光クラスターの形成に重なるものと考えております。
本県にはアドベンチャーツーリズムの構成要素となる多様な自然やそれらを生かしたアクティビティー、生活や文化に触れる体験といった観光資源が、とりわけ中山間地域に豊富に存在しており、アドベンチャーツーリズムの考え方を観光クラスターに取り入れて推進することは有効であると考えています。
そのため、アドベンチャーツーリズムに精通した専門家や提唱団体を初め、幅広い民間事業者の参画も得ながら、このツーリズムにふさわしい観光資源を磨き上げ、高知ならではのストーリーでつなぐ観光クラスターの形成を進めてまいりたいと考えています。
次に、海外で人気がありSNSでの発信力のある方を本県に招聘する取り組みについてお尋ねがありました。
観光庁の訪日外国人の消費動向の調査結果によりますと、日本を訪れた外国人観光客の動向として、個人旅行者の割合が高いことや旅行出発前に役立つ旅行情報源としてSNSが上位にあることが挙げられています。
こうしたことも踏まえますと、SNSでの情報発信力を持ついわゆるインフルエンサーを活用した観光情報の発信は、個人旅行者の誘致拡大につながる有効な手段であると考えています。
このため、本年度から台湾、香港、シンガポール、タイの重点市場において、旅行業界などに精通した現地法人と連携することにより、団体旅行者の誘致に加えて個人旅行者を誘致する取り組みも進めています。具体的には、その手法としてインフルエンサーをモニターツアーに招聘し、本県ならではの食や自然体験資源を中心に体感していただき評価をいただくことや、フェイスブックやインスタグラムなどでの情報発信をお願いしています。
今後においても、重点市場におけるこうした取り組みを継続するとともに、来年2月から実施する自然・体験型観光キャンペーンに向けて、自然体験ツアーなどに関心が強いアメリカやオーストラリアを初め、LCCの就航により誘客が期待できる韓国などもターゲットに加え、インフルエンサーを積極的に活用したプロモーション活動を展開していきたいと考えています。
最後に、大学生観光まちづくりコンテストの開催地のステージとしてエントリーすることも含めて、若い知恵や感性を生かす観光地づくりについてお尋ねがありました。
大学生観光まちづくりコンテストは、大学生がチームを組み、開催地での現地調査を通じて作成する魅力的な観光地づくりのプランを競い合うものです。
観光客の多様なニーズやトレンドに合った観光地づくりを推進していくためには、県や市町村、地域の観光関連事業者が連携した取り組みに加えて、若者の知恵や感性を生かす取り組みも必要であると考えています。
このため、県内では既に、大学と市町村との連携協定などに基づき、高知大学や高知県立大学などの学生たちが、県内各地で地域の方々と連携して地域活性化に取り組む活動が行われています。
こうした活動を通じて、例えば大豊町ではゆとりすとパークでのブルーベリーを生かした収穫イベントの開催や、佐川町や津野町では地元の自然や食材を生かした体験プログラムが企画されるなど、観光振興を切り口に新たな経済効果を生み出して地域活性化につなげる取り組みが行われています。
このように、大学生の知恵を生かしたイベントや企画が新たな観光資源の創出につながる事例もありますので、お話にありましたような大学生観光まちづくりコンテストで事業化された実践事例の内容や成果の把握を行った上で、実際のフィールドとなります県内市町村に対して十分に情報提供を行うとともに、エントリーの意向も確認してまいりたいと考えております。
(副知事岩城孝章君登壇)

 
 
◎副知事(岩城孝章君) 空港施設の機能強化に向けた、高知龍馬空港・航空ネットワーク成長戦略検討会議の今後の取り組み内容についてお尋ねがありました。
本年5月に立ち上げたこの検討会議では、既存路線の拡充、国内LCC路線の誘致、国際路線の誘致、空港インフラの整備の4項目を検討の柱として、航空ネットワークの拡充に向けた議論をこれまでに2回行っております。
これまでの議論の中では、国際チャーター便の受け入れに当たっては、国内定期便の運航ダイヤと空港駐機場の関係で受け入れ可能な時間帯が限られていることや、入国審査、検疫、税関の検査スペースが不足していること、またチェックインカウンター業務等を行うグランドハンドリングの要員の確保が難しくなっていることなどの課題が指摘をされました。
また、国内定期便の運航については、空港の利用者が増加傾向にある中で、保安検査場や搭乗待合室の混雑が一部見受けられることや、ラウンジなど利便施設の整備を求める意見もございました。
このような状況を踏まえ、8月8日に開催された第2回の検討会議の場で、委員の皆様の総意として、新ターミナルビルの整備など施設の拡充を検討すべきではないかといった意見をいただいたところでございます。
そうした御意見をいただいたことに加え、その後LCCの2路線の就航が決定したこと、また現在取り組んでいる既存路線の拡充、国際路線の誘致を見据えたとき、県としましても、新ターミナルビルの整備も含めた空港施設の機能強化について、関係機関との調整等も行いながら検討を始める時期に来ているのではないかと受けとめております。

 
 
◆4番(上田貢太郎君) 執行部の皆さん、それぞれ御答弁ありがとうございました。
それでは、御答弁いただいた中から、地震対策について一言述べさせていただきます。
今回の質問では、津波浸水地域から非浸水地域への事業所や宅地の移転について御質問させていただいたんですけれども、東日本大震災や今回の北海道胆振東部地震などの被害の状況や、経営者の皆さん方のさまざまなお話をお聞きしていく中で、発生確率が年々高まる南海トラフ地震を考えた場合、県内企業の事業継続の不安というのは解消されることはないというふうに思います。
商工労働部長から、製造業を中心とした企業のニーズについて御答弁をいただきましたけれども、移転を望む企業や事業所というのは全産業分野において共通する課題であるというふうに思います。
また、まだ把握できていない事業所については、ぜひ関係団体などを通じて早急に把握に努めていただきたいということを要請させていただきます。
また、県では各部局をまたいだ横断的な組織として南海トラフ地震対策推進本部を設置し、地震発生直後から応急期、さらに復旧・復興期の対策について、事前に実施すべき取り組みをまとめた第3期の南海トラフ地震対策行動計画を現在策定しており、今年度中に第4期に向けて行動計画の見直しを行うということを伺っておりますけれども、ぜひ県民の生活を立ち上げる早期の復旧・復興に向けた事前の対策にさらに加速して取り組んでいただくように、この場をおかりいたしまして要請をさせていただきます。
以上で全ての質問とさせていただきます。ありがとうございました。

 
 

 

 


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